Blog
ブログ
随意契約とはなにか簡単にわかり...
プロダクト
2026/3/27 09:28

【監修者:髙橋京太郎(LobbyAI株式会社代表取締役CEO)】
日本大学法学部を卒業、法政大学大学院を修了。
衆議院議員秘書、さいたま市議会政務活動員として国政・地方行政の現場で政策形成や渉外業務に従事。一方で、WEBサービスの開発・運営に携わり、テクノロジー分野での実務経験を積む。
公共事業や自治体の発注に関わる中で、名前は聞いたことがあっても「随意契約とは何かよくわからない」と感じている方は多いはずです。
随意契約は入札とは違う仕組みでありながら、ビジネスチャンスにつながる重要な契約方式です。条件を満たせば企業にとって有利に働くケースも少なくありません。
そこで本記事では、随意契約の基本から違い、違法性、実例までをわかりやすく解説します。仕組みを理解することで、受注機会を広げるヒントが得られます。
随意契約とは、自治体などの発注者が特定の相手を選び、競争入札を行わずに契約を結ぶ方法です。
まずは、以下の項目について詳しく解説します。
一般競争入札やプロポーザルとの違い
随意契約の違法性
随意契約の実例
随意契約の意味やルールを理解することで、適切にビジネスチャンスを掴むための土台が身につきます。
随意契約は、発注者が特定の事業者を直接選んで契約できる点で、一般競争入札やプロポーザル方式とは大きく異なります。
競争入札は価格を中心に広く参加者を募る仕組みであり、プロポーザル方式は提案内容や技術力を比較して最適な事業者を選定する方法です。
これに対して随意契約は、競争のプロセスを省略できるため、スピードや確実性が求められる場面に適しています。評価や比較の手間が少ない分、迅速な意思決定が可能です。
特に、災害対応のように時間的余裕がないケースや、既存システムの改修のように特定企業でなければ対応が難しい場面で随意契約が選ばれます。
一方、企画力が重視される広報事業などではプロポーザル方式が採用されることが多く、目的に応じて使い分けられています。
随意契約そのものは違法ではなく、法令に基づいて認められた正当な契約方法です。
第29条の3
~中略~
4. 契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場合においては、政令の定めるところにより、随意契約によるものとする。
引用元:会計法
ただし、要件を満たさずに実施された場合には問題視される可能性があり、適正とされるかどうかは契約理由の合理性や透明性に左右されます。
実際には、必要性が曖昧なまま特定企業に発注し、監査で指摘されるケースも見られます。そのため、制度上は認められていても、説明責任を果たせるかどうかが重要なポイントです。
随意契約の実例として、厚生労働省では国民健康保険に関する情報提供業務について随意契約を公示しており、「排他的権利の保護」を理由に特定団体と契約予定であることが明記されています。
また、厚生労働省で新型コロナ対応に伴うシステム運用保守の追加業務についても、既存システムとの「互換性」を理由に随意契約を公示しています。
サイト内では契約予定日や契約相手も明示されており、合理的な理由に基づいて随意契約が行われていることを確認することが可能です。
参考元URL:厚生労働省「随意契約に関する公示(「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」に基づく国民健康保険制度に関する連結情報の提供一式)」「随意契約に関する公示(厚生労働省LANシステムの運用・保守業務(延長)一式)」
2025年の制度改正により、少額随意契約の基準額は大幅に引き上げられ、企業にとって公共案件への参入機会が広がりました。
今回の見直しでは、約50年間据え置かれていた基準額が、物価上昇などを背景に引き上げられました。実際に、財務省の資料でも企業物価指数の上昇を踏まえた改正であることが示されており、制度を現状に合わせる狙いがあります。
出典:財務省「少額随意契約の基準額の見直しについて」
このように基準額が引き上げられたことで、従来は一般競争入札で行われていた中規模案件の一部が、随意契約で発注される可能性が高まりました。
発注側にとっては手続きの簡素化につながり、企業側にとっては提案や関係構築による受注の余地が広がっています。
随意契約には主に3種類あり、それぞれ適用される場面や特徴が異なります。自社に合った契約タイプを理解することで、受注の可能性を高められます。
特徴 | おすすめの企業 | |
|---|---|---|
特命随意契約 | 特定の企業のみが対応可能な場合に直接契約 | 高い専門性・独自技術を持つ企業 |
少額随意契約 | 一定金額以下の案件で簡易的に契約 | 実績を積みたい中小企業・地域企業 |
不落随意契約 | 入札不調後に交渉で契約 | 柔軟な価格対応ができる企業 |
ここからは、それぞれの特徴と、どのような企業が有利になりやすいのかを具体的に解説します。自社の強みと照らし合わせることで、狙うべき案件が明確になります。
特命随意契約は、特定の企業でなければ対応できない場合に、発注者が直接その企業と契約を結ぶ方式で、専門性や独自性を持つ企業に最適です。
競争を行わずに契約先が決まるため、選ばれる側にとっては非常に有利な契約形態といえます。
特命随意契約が採用されるのは、特許技術や独自システム、既存契約との継続性など、他社では代替できない事情がある場合です。公平性よりも業務の確実性や一貫性が重視されます。
例えば、自社開発システムの保守や改修業務では、開発元企業がそのまま契約先になるケースがあります。独自技術やノウハウを持つ企業ほど選ばれやすく、差別化がそのまま受注につながります。
少額随意契約は、一定金額以下の案件において簡易的に契約できる仕組みであり、実績を積みたい中小企業や地域密着型の企業に適しています。入札に比べて手続きが簡略化されているため、参入しやすい点が特徴です。
少額随意契約は、小規模案件まで競争入札を行うと発注側の負担が大きくなることから設けられています。効率性を重視しつつ、一定の公平性を確保する仕組みです。
特に、清掃業務や備品購入、簡易な業務委託などで多く活用されています。小さな案件から信頼関係を築き、継続的な発注につなげていく企業も多く、公共取引の入口としても有効です。
不落随意契約は、競争入札を行ったものの落札者が決まらなかった場合に、条件を見直して特定の企業と交渉のうえ契約を結ぶ方式です。柔軟な価格対応や条件調整ができる企業におすすめです。
入札が成立しない背景には、予定価格と市場価格の乖離や、条件が厳しすぎるといった事情があります。そのため、再度入札を行うのではなく、現実的な条件で契約を進めるために随意契約が選択されます。
実際には、入札に参加した企業の中から再交渉が行われることが多く、価格や納期の調整に応じられる企業が選ばれることが多いです。そのため、交渉力や対応力が受注の鍵となる契約形態です。
随意契約は「いつでも自由に使える契約方法」ではなく、法律で定められた条件を満たす場合にのみ認められています。国と地方自治体では根拠法令が異なり、それぞれ具体的な適用条件が定められているのが特徴です。
ここからは、随意契約が認められる具体的なケースを法令ベースで整理します。ルールを理解することで、どのような案件でチャンスが生まれるのかを明確にできます。
国における随意契約は、会計法第29条の3および関連政令に基づき、「競争入札では対応できない合理的な理由がある場合」に限って認められる契約方式です。
単に手続きが簡単だから選べるものではなく、発注側が明確な根拠を示すことが前提となっています。
具体的には、以下のようなケースが該当します。
契約の性質や目的から競争自体が成立しないケース
緊急対応が必要で入札手続きを行う時間がないケース
競争に付すことでコスト増や非効率を招くと判断されるケース
実際の運用では、既存システムの追加改修や保守業務のように、他事業者への切り替えが技術的・経済的に非合理と判断されるケースで活用されることが多いです。
また、災害時の応急対応や国の重要インフラに関わる業務など、確実性が最優先される場面でも適用されます。
地方自治体における随意契約は、地方自治法および地方自治法施行令第167条の2に基づき、「具体的に列挙された条件」に該当する場合にのみ認められています。
国と同様に例外的な契約方式ですが、自治体の場合はより細かくケースごとに整理されている点が特徴です。
主な条件は、以下のとおりです。
契約の性質・目的から競争入札に適さない場合
技術的に特定の事業者しか対応できない場合
緊急性があり、入札手続きを行う時間がない場合
価格競争に付すると不利になる場合
一定金額以下の少額契約である場合
障害者支援施設やシルバー人材センターなどとの契約(福祉目的)
新規事業者の育成など政策的な目的がある場合
地方自治体の随意契約は単なる効率性だけでなく、地域政策や社会的配慮も反映された制度設計です。
例えば、自治体では障害者施設が製作した物品の購入や、高齢者の就業支援団体への業務委託などに随意契約が活用されています。これは価格競争ではなく、社会的意義や地域貢献を重視した判断といえます。
随意契約は企業にとって効率よく受注できるチャンスがある一方で、参入の難しさなど独自のハードルも存在します。仕組みを正しく理解し、自社に向いているかを見極めることが重要です。
ここからは、実務で感じやすいメリットと注意点を整理しながら、どのような企業が活用すべきかを解説します。自社の強みと照らし合わせることで、戦略的に受注を狙えるようになります。
手間やコストをかけずに案件を受注できる
短期間で受注までいける
見積合わせのみで契約が成立するケースがある
随意契約の最大のメリットは、手間やコストを抑えながら案件を受注できる点です。競争入札のように複雑な書類準備や価格競争が不要なため、効率的に案件へアプローチできます。
さらに、各企業の見積もりを比較する見積合わせのみで契約が成立するケースもあり、スピーディーに話が進みやすい点も特徴です。
そのため、発注担当者との関係性が構築されていれば、短期間で受注に至ることも珍しくありません。随意契約は、営業コストを抑えつつ安定した案件獲得につなげやすい契約形態といえます。
声がかからなければ参入できないことがある
新規参入が難しい
発注内容が固まりやすく自社提案の余地が小さい
随意契約は、声がかからなければそもそも参入できない点が大きなデメリットです。公募型の入札と異なり、発注者から選ばれることが前提となるため、機会自体が限定されます。
そのため、新規参入企業にとってはハードルが高く、実績や関係性がない状態では案件に関わることが難しくなります。
また、発注内容があらかじめ固まっているケースが多く、自社からの提案余地が小さい点も特徴です。例えば、既存業務の継続や保守案件では仕様が固定されていることが多く、独自のアイデアを反映しづらい場面も見られます。
そのため、自由度の高い提案営業を重視する企業にはやや不向きといえます。
スピード対応できる企業
営業よりも関係構築・信頼獲得が得意な企業
提案内容や条件を柔軟に調整できる企業
随意契約に向いているのは、スピード対応ができ、発注者との関係構築を重視できる企業です。競争よりも信頼性が重視されるため、日頃の実績や対応力がそのまま評価につながります。
随意契約では、営業活動よりも継続的な接点づくりや信用の積み重ねが重要になります。また、案件ごとに条件が異なるため、柔軟に提案内容や契約条件を調整できる企業ほど有利です。
特に、小回りの利く中小企業や地域密着型の事業者が強みを発揮しやすく、迅速な対応や細やかなコミュニケーションが評価される傾向があります。こうした特性を持つ企業であれば、随意契約を安定的な受注手段として活用しやすいのでおすすめです。
随意契約は入札と比べてシンプルな手続きで進みますが、実際には事前準備から契約締結までいくつかの重要なステップがあります。
発注情報やニーズをリサーチする
発注担当者との接点を作る
発注機関からの依頼・選考
見積書の作成・提出
発注先の決定・締結
ここからは、企業が実際に随意契約を獲得するまでの流れを具体的に解説します。各ステップを押さえることで、受注確率を高める行動が明確になります。
随意契約で受注するためには、まず発注機関のニーズや過去の発注傾向を把握することが重要です。どのような業務が随意契約で発注されているかを理解することで、狙うべき案件が見えてきます。
随意契約が公募されないケースも多く、事前に情報を掴んでおくことが受注の前提となるためです。
自治体の発注実績や公表資料、契約情報などを確認することで、対象となる業務の傾向を把握できます。
随意契約では、発注担当者との関係構築が受注の確率を高めます。競争入札とは異なり、直接声がかかることが前提となるため、なるべく担当者と接点を持つようにしましょう。
発注側は信頼できる企業に依頼したいと考えているため、実績や対応力を事前に知ってもらうことで、候補として認識されやすくなります。
具体的には、自治体への訪問や問い合わせ、セミナー参加などを通じて接点を作るのがおすすめです。このように継続的なコミュニケーションを取ることで、案件発生時に声がかかる可能性が高まります。
関係構築が進むと、発注機関から直接依頼や見積依頼が届くことがあります。ここで、正式に候補企業として検討されます。
随意契約では複数社から見積を取る「見積合わせ」が行われ、その中で条件や実績が比較されることもあり、必ずしも1社限定ではないため事前準備が重要です。
実際には、過去の実績や対応スピード、信頼性などが総合的に評価されます。ここでの対応がそのまま受注結果に直結するため、丁寧かつ迅速な対応が求められます。
依頼を受けた後は、見積書を作成し提出します。随意契約では、見積もり内容が契約条件のベースとなるため、非常に重要なステップです。
価格だけでなく、業務内容や対応範囲、スケジュールなども含めて提示しましょう。特に適正価格であることと、実現のしやすさが重視されます。
例えば、過度に安い価格を提示すると品質面での不安が生じる場合があります。発注者の意図を意識した見積書を作成しましょう。
見積もりや条件を踏まえて発注先が決定されると、正式に契約が締結されます。この段階で初めて業務開始です。
契約締結後の対応や履行状況が次の案件につながるケースも多く見られます。契約後も信頼関係の構築を意識し、長期的な受注につなげましょう。
随意契約で安定して受注するためには、単に案件を待つのではなく、選ばれるための準備と行動が重要です。随意契約は入札とは異なり、事前の関係構築や実績の積み重ねが結果に直結します。
接点を作って声がかかる状態にする
少額案件でも実績として積み上げる
発注意図や動向に合う対応をする
ここからは、随意契約で選ばれる企業になるための具体的なポイントを解説します。徐行きのポイントを意識することで、継続的な受注につながる可能性が高まります。
随意契約で最も重要なのは、発注担当者から「この会社に頼みたい」と思われる状態をつくることです。声がかからなければ始まらない契約方式であるため、接点づくりは受注の前提条件といえます。
具体的には、自治体への定期訪問や情報提供、セミナー参加などを通じて関係を築くのがおすすめです。
一度きりの接触ではなく、継続的に存在を認知してもらいましょう。
随意契約で成果を出すためには、まずは小さな案件から実績を積み上げるのが効果的です。実績は信頼の証となり、次の案件につながる重要な要素になります。
特に少額随意契約は参入しやすく、初めての取引を作るきっかけとしておすすめです。一度実績ができると、発注側も安心して継続依頼をしやすくなります。
具体的には、清掃や簡易な業務委託などの小規模案件をきっかけに、徐々に規模の大きい業務へと広げていきます。目先の金額だけで判断せず、将来の受注につながる投資として取り組む姿勢を持ちましょう。
随意契約では、発注者の意図や背景を理解したうえで対応するのも重要なポイントです。単に自社の強みを押し出すだけではなく、相手のニーズに合致しているかを確認しましょう。
発注側は、限られた時間や条件の中で最適な判断を求められているため、要望に合った提案や柔軟な対応ができる企業が評価されやすくなります。特に、過去の発注傾向や政策方針を把握しているかどうかで大きな差がつきやすいです。
例えば、自治体の重点施策に関連する分野でサービスを提案したり、予算状況に応じて仕様を調整したりすることで、継続受注の可能性が高まります。
随意契約とは、競争入札を行わずに発注者が適切と判断した相手と直接契約を結ぶ方法です。
随意契約で成果を出すには、制度理解だけでなく発注側の意図や過去の傾向を把握することが大切です。特に、どのような条件で随意契約が行われ、どの企業が選ばれているかを分析することが重要です。
そこで役立つのがAIツールの活用です、AIツールのLobbyAIなら、自治体ごとの発注傾向や案件情報を効率よく把握できるため、精度の高い営業が可能になります。情報を武器に戦略的に動き、随意契約のチャンスを確実に掴みましょう。
一覧ページに戻る
一覧ページに戻る
どの自治体が、
どんな課題に動いているか
全国1,700以上の自治体の議会発言、入札情報、計画資料などをAIで自動解析し、「いま、どの自治体が、どんな課題に関心を持ち、どこで提案のチャンスが生まれているのか」を可視化。
サービスについて詳しく見る

ご不明点やご相談はお気軽にご連絡ください。
専門スタッフが丁寧にサポートいたします。
政策渉外・自治体営業を支援する「LobbyAI」の概要資料を
無料でご覧いただけます。