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優れた技術があっても、実証実験(PoC)から本格導入へ進まない。行政や自治体に提案したいものの、誰に、いつ、何を伝えればよいのか分からない。公共分野での事業展開を目指す企業にとって、こうした課題は少なくありません。
2026年8月26日から27日に開催された「AI博覧会 Summer 2026」で、LobbyAI代表取締役の髙橋京太郎が、パネルディスカッション「AI時代の官民連携をアップデート」に登壇しました。

トランスコスモス株式会社 上席常務執行役員/公共政策本部 本部長の高山智司氏、株式会社Essen 代表取締役の橘健吾氏とともに、実証実験で終わらない官民連携の進め方や、AIを活用した公共情報の分析、社会実装に必要な視点について議論しました。
本記事では、セッションの内容をもとに、企業が行政・自治体との連携を進めるうえで押さえておきたいポイントを紹介します。
行政や自治体への提案では、サービスの説明を磨くことに加えて、「誰と対話するか」を見極めることが重要です。
公共分野の課題は、複数の部署や関係者にまたがることがあります。総合窓口に相談するだけでは、担当部署や検討状況を把握するまでに時間がかかるケースもあります。
そこで手がかりになるのが、議会議事録や委員会資料などの公開情報です。
その課題について、誰が発言しているのか
どの部署が対応し、どのような説明をしているのか
解決に向けて、何が障壁になっているのか
こうした情報を読み解くことで、提案先の候補だけでなく、対話の前提となる問題意識を把握できます。
セッションでは、AIを活用して公開情報を整理・分析することで、関係者や政策動向を効率的に把握できるようになっていることも紹介されました。情報を集めた先にある、相手の課題に即した対話につなげることが大切です。
登壇者から共通して示されたのは、行政との対話では、技術がどのような社会課題の解決につながるかを伝える必要があるという視点です。
人口減少、防災、脱炭素、インフラの老朽化、地域活性化など、行政が向き合う課題は多岐にわたります。その中で技術は、住民サービスの向上や政策目標の達成を支える手段として位置づけられます。
例えば、AIの性能を説明する際にも、「高齢者への支援をどのように充実させられるか」「インフラの維持管理にかかる負担をどのように減らせるか」まで具体化することで、行政側が導入の意義を検討しやすくなります。
自社の技術が、相手のどの課題に、どのような価値をもたらすのか。
この接点を明確にすることが、社会実装に向けた議論の出発点になります。
公共分野での事業化を考える際には、公募や入札の情報に加えて、その前段階にある課題検討や政策形成の動きを把握することが重要です。
セッションでは、課題認識から検討、実証、予算化、公募・入札へと進む流れが紹介されました。実際の順序や進め方は事業によって異なりますが、公募が始まる時点で、事業の方向性や予算の枠組みが整理されている場合があります。
そのため、課題が議論され始めた段階から、次のような観点で情報提供や対話を重ねることが重要だと指摘されました。
課題解決に応用できる技術やサービス
活用が考えられる補助金や制度
国や自治体の政策との整合性
早期の対話には、行政の課題と民間の知見を結びつけ、実現可能な事業のあり方を検討する意味があります。企業にとっては、自社の提案が政策や予算の検討過程のどこに位置するのかを理解することが、次の行動を考える手がかりになります。
自社のサービスと社会課題の接点を探る際には、政府や自治体が公表する政策文書も重要な情報源です。
セッションでは、骨太方針や成長戦略、GX・DXに関する政策資料などから、国が重視する課題や、普及を後押ししようとしている取り組みを把握できることが紹介されました。
一方、地域ごとの具体的な課題を知るうえでは、自治体議会の議事録が手がかりになります。住民から寄せられた声、議員の問題提起、それに対する行政の答弁を確認することで、その地域で何が課題となり、どこまで検討が進んでいるのかを読み解けます。
国の政策が示す方向性と、地域の現場で議論されている課題。その両方を把握することで、提案に必要な背景や根拠を具体化できます。
今回のセッションで、髙橋は次のように述べました。
「それぞれの立場へのPMF(Product Market Fit)が重要である」
PMFは本来、製品やサービスが市場のニーズに適合している状態を指す言葉です。ここでは、行政・議員・企業それぞれの立場や目的を理解し、それに応じた価値を提供することの重要性を表しています。
行政は、住民サービスの向上や政策目標の達成といった観点から取り組みを検討します。議員は、地域課題の解決や住民の声への対応といった観点から問題を提起します。企業には、事業の継続性や成長という視点があります。
これらの目的には重なる部分がある一方で、役割や関心の置き方には違いがあります。同じサービスであっても、相手の立場を踏まえて、どのような価値につながるかを具体的に伝える必要があります。
相手が実現したいことを理解し、自社が提供できる価値との接点をつくる。 この視点が、官民連携を前に進める土台となります。
AIによってサービス開発や情報収集が効率化するほど、集めた情報から何を読み取り、どのような行動につなげるかが重要になります。
誰が課題を抱えているのか。どのような政策が検討されているのか。関係者は何を重視しているのか。今回の議論では、こうした背景を理解したうえで、課題起点の提案を行うことの重要性が共有されました。
LobbyAIは、公共情報の収集・分析と、政治・行政の現場に関する知見を組み合わせ、企業の自治体営業や官民連携、政策渉外を支援しています。
公開情報から課題や政策動向を捉え、提案先とタイミングを検討し、具体的な対話や提案につなげる。情報を事業のアクションに変えることで、企業の技術やサービスが社会に届く機会を広げていきます。
自治体営業・官民連携・政策渉外をご検討の方は、LobbyAIのサービス紹介ページをご覧ください。
登壇概要
イベント:AI博覧会 Summer 2026
開催期間:2026年8月26日〜27日
セッション:「AI時代の官民連携をアップデート」
登壇者:
トランスコスモス株式会社 上席常務執行役員/公共政策本部 本部長 高山智司氏
LobbyAI株式会社 代表取締役 髙橋京太郎
株式会社Essen 代表取締役 橘健吾氏
※所属・役職は登壇時点のものです。
本記事は、トランスコスモスのオウンドメディアに掲載された登壇レポートをもとに、LobbyAIの視点で再構成しています。
髙橋京太郎
LobbyAI株式会社 代表取締役CEO
日本大学法学部卒業、法政大学大学院修了。衆議院議員秘書、さいたま市議会政務活動員として、国政・地方行政の現場で政策形成や渉外業務に従事。大学在学中から国政政党の学生組織の設立・運営に携わり、超党派団体での活動を通じて若年層の政治意識向上にも取り組む。一方で、WEBサービスの開発・運営にも携わり、マッチングアプリのコンテンツディレクターなどを務めるなど、テクノロジー分野での実務経験も積む。アジアを代表する30歳未満の先進的な起業家・リーダーを選出する「Forbes 30 Under 30 Asia 2026」に選出。東京都・TIBのスターティングメンバーにも参画。
どの自治体が、
どんな課題に動いているか
全国1,700以上の自治体の議会発言、入札情報、計画資料などをAIで自動解析し、「いま、どの自治体が、どんな課題に関心を持ち、どこで提案のチャンスが生まれているのか」を可視化。
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