高市政権「危機管理投資・成長投資」をどう読むか――戦略17分野・62品目の政策市場と企業が今すぐ取るべきこと

ロビー活動

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2026/08/20

高市政権の成長戦略「危機管理投資・成長投資」を、2040年度までの官民370兆円超、戦略17分野・62品目、政府調達、規制改革、標準化、ロビー活動、政策経営の観点から分析します。企業が政策形成にどう関与し、何を実行すべきかを具体的に解説します。

高市政権「危機管理投資・成長投資」とは

高市政権が掲げる「危機管理投資・成長投資」は、2040年度までに官民で370兆円超の投資を促す大規模な成長戦略です。

対象となるのは、AI・半導体、デジタル・サイバーセキュリティ、情報通信、量子、防衛産業、航空・宇宙、海洋、造船、マテリアル、合成生物学・バイオ、創薬・先端医療、資源・エネルギー安全保障・GX、フュージョン、防災・国土強靱化、港湾ロジスティクス、フードテック、コンテンツの17分野です。その下に62の「主要な製品・技術等」が位置付けられています。

しかし、この戦略を「政府が370兆円の予算を配る政策」と捉えると、本質を見誤ります。

370兆円超という数字は政府支出額ではありません。企業による研究開発、設備投資、量産投資などを含めた官民投資の想定額です。政府の役割は、そのすべてを財政負担することではなく、補助金、税制、政府調達、金融支援、規制改革、標準化、インフラ整備などを組み合わせ、民間企業が投資できる条件をつくることにあります。

したがって、企業側の競争も「補助金をいくら獲得できるか」という単純なものではありません。

本当に重要なのは、何を戦略技術として定義するのか、どの規制を変更するのか、政府や自治体がどの技術を最初に購入するのか、どの技術仕様を標準にするのか、電力や用地をどの産業へ優先的に配分するのか、そして次年度以降の予算をどのKPIで評価するのかという、政策設計そのものを巡る競争です。

企業に求められているのは、政策が決まった後に補助金へ応募することだけではありません。

自社の投資を止めている制度上の制約を特定し、その制約を政府が解消した場合に、どれほどの民間投資、雇用、国内付加価値、輸出、供給網強靱化を生み出せるのかを政策として提示する必要があります。

これからのロビー活動は、「お願いする活動」ではなく、政府と企業が投資可能な市場環境を共同で設計する活動へと変わっていきます。

戦略17分野と62品目の政策市場

370兆円の読み方

官民投資ロードマップの設計思想は、「市場規模を予測し、その市場に補助金を付ける」という単線的なものではありません。

重要なのは、各分野について政府が産業としての「勝ち筋」を想定し、国内投資支援、需要・市場創出、立地競争力、国際連携などを組み合わせた政策パッケージを設計し、そのうえで企業・団体の投資計画を積み上げている点です。

これは政策経営を考えるうえで非常に重要です。

企業が政策形成の場で示すべきなのは、「当社に補助金を出してください」という要求ではありません。

この規制・需要・インフラ・資金制約を解消すれば、民間投資X円、国内付加価値Y円、雇用Z人、輸入依存率Aポイント低下を実現できます。

という、政策投入と民間投資をつなぐ因果モデルです。

政策提言の単位も、「半導体を支援してください」「バイオ産業を育ててください」では粗すぎます。

例えば半導体工場への投資が進まないのであれば、その原因が補助率なのか、系統接続なのか、電力価格なのか、工業用水なのか、土地造成なのか、環境審査なのか、税制なのか、人材なのかを分解する必要があります。

そして、「系統接続期間を3年短縮すれば2,000億円の投資判断が可能になる」「公共調達を5年間コミットすれば国内量産設備へ300億円投資できる」といった形まで具体化することが重要です。

また、17分野は独立した縦割り政策ではありません。

17分野とは別に、「新技術立国・競争力強化」「スタートアップ」「金融」「人材」「労働市場改革」「家事等負担軽減」「賃上げ環境整備」「サイバーセキュリティ」という8つの横断課題が設定されています。

これは、企業の政策戦略を考える際にも重要です。

例えばAI企業だからAI・半導体分野だけを見るのでは不十分です。計算資源を確保するにはデータセンターと電力政策が関係します。AIを行政へ導入するには政府調達が関係します。人材確保には教育・労働政策が関係します。海外展開には標準化と経済外交が関係します。

つまり、自社が17分野のどこに分類されるかを見るだけでなく、自社の投資を左右する横断政策を特定することが重要です。

62品目一覧を政策ボトルネックと企業行動から分析する

以下の金額は、特記しない限り官民合計投資額の現時点想定であり、政府支出額ではありません。また、複数分野に重複して位置付けられている品目もあります。

AI・半導体――補助金競争から計算・電力・需要の統合政策へ

AI・半導体には、フィジカルAI、システム中核半導体、バーティカルAIが位置付けられており、官民投資想定は合計で100兆円を超えます。しかし、政策課題は技術開発や研究開発費の確保だけではありません。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

AI・半導体

フィジカルAI、特にAIロボット

10.5兆円/2040

製造・物流等の現場データとロボット技術を結合し、国内市場・技術基盤を構築

内閣府、経産省、ロボット・機械業界、AI企業、製造・物流ユーザー、大学

AI・半導体

フィジカル・インテリジェント・システム中核半導体

68.0兆円/2040

先端からアナログ・レガシーまでシステム起点で国内設計・生産基盤を強化

内閣府、経産省、半導体メーカー、装置・素材、電子部品、自動車・ロボット

AI・半導体

バーティカルAI

23.1兆円/2040

重点領域への集中投資、政府調達・制度改革で初期需要を創出

内閣府、経産省、AI企業、各業界ユーザー、自治体、研究機関

半導体工場を国内に建設するためには、電力、用地、工業用水、環境審査、建設人材、装置・素材のサプライチェーンが必要です。AI産業を育成するためには、計算資源、学習データ、データセンター、通信インフラ、政府調達などが必要になります。さらに、経済安全保障の観点からは輸出管理や技術管理も関係します。

つまり、AI・半導体政策は、一つの産業だけで完結する政策ではありません。

企業が行うべきことは、半導体、データセンター、電力、通信、自治体がそれぞれ別々に要望する状態から脱却することです。

計算需要→データセンター→半導体→送電→電源→蓄電池→地域雇用

という一連の投資クラスターとして政策課題を示し、系統接続期間、電源確保、工業用水、用地造成、許認可、人材供給までを束ねた立地政策として提案することが重要です。

AI企業についても、補助金だけを求めるのではなく、行政、医療、製造、物流、防災などにおける政府・自治体の初期需要を形成することが重要になります。

その際には、特定企業の製品を前提とした調達仕様ではなく、精度、安全性、相互運用性、国内保守、供給継続性などを評価する性能ベースの政府調達を提案することが望まれます。

さらに、「実証事業を実施する」ことをゴールにせず、どのKPIを達成した場合に本調達へ移行するのかまで制度設計に含める必要があります。

デジタル・サイバーセキュリティ――公共部門をアンカー顧客に変える

デジタル・サイバーセキュリティ分野では、データプラットフォーム、政府・地方公共団体の安全なAX/DX基盤、先進サイバーセキュリティ、クラウド・データセンター、医療DX、自動運転などが政策対象となっています。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

デジタル・サイバー

データプラットフォーム

0.9兆円/2035

国内で機微データを安心して処理・連携できる基盤

デジタル庁、経産省、クラウド・データ企業、製造業、医療等

政府・地方公共団体の安全なAX/DX基盤

7.4兆円/2035

公共部門をアンカー顧客として国産クラウド・SaaS・AIを普及

デジタル庁、自治体、各省庁、クラウド・SI・SaaS企業

AI時代の先進サイバーセキュリティ

1.0兆円/2035

OT等の強みを軸に国産製品・サービスの信頼性と市場を拡大

デジタル庁、経産省、国家サイバー統括室、セキュリティ企業、重要インフラ

クラウド・データセンター、蓄電池

32.7兆円/2035

AI計算基盤の国内供給、電力・通信・蓄電池を一体整備

経産省、総務省、電力、DC、クラウド、蓄電池、自治体

クラウドネイティブ医療DX基盤

5.2兆円/2040

医療情報システムのクラウド化、セキュリティ・データ連携強化

厚労省、デジタル庁、医療機関、IT企業、製薬・医療機器、患者側

自動運転技術

8.2兆円/2040

国産自動運転システム、車両データ、通信・道路との連携を構築

経産省、国交省、警察、自治体、自動車・IT・通信、物流

最大の政策論点は、「国産技術を支援するかどうか」という単純な問題ではありません。

政府調達や公共システムにおいて、安全性、価格、機能、国際互換性、データ主権、サプライチェーンリスクをどのように評価するかが重要になります。

企業側も、単に「国産製品を優先してください」と求めるだけでは十分ではありません。

データ所在地、運用主体、サプライチェーン、脆弱性への対応速度、監査可能性、障害発生時の事業継続性、他システムとの相互運用性などを、具体的な性能要件へ落とし込んで提案する必要があります。

医療DXでは、利便性だけではなく、患者同意、データの二次利用、匿名化、セキュリティ、事故時の責任分担などを同時に設計する必要があります。

また、自治体での実証を単発導入で終わらせないことも重要です。

一つの自治体で導入した仕組みを全国へ横展開するためには、共同仕様、標準契約、セキュリティ評価、調達テンプレートなどを整備し、別の自治体でも再利用できる形にする必要があります。

「一自治体への導入」ではなく「全国で再利用可能な調達モデルをつくる」ことが、政策市場を形成するうえで重要です。

情報通信――国内実装と国際標準を同時に進める

情報通信分野では、オール光ネットワーク、海底ケーブル、NTN、5G、Beyond 5G、6Gなどが対象となります。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

情報通信

オール光ネットワーク(APN)

5.9兆円/2040

国内実装と北米等への展開、光通信技術の国際競争力確保

総務省、通信事業者、光デバイス企業、DC、標準化機関

海底ケーブル

2.4兆円/2040

国際通信の強靱化、供給力・敷設保守能力、ルート多重化

総務省、通信・ケーブル企業、海運、同盟・同志国

次世代ワイヤレス、NTN・5G/Beyond 5G/6G等

20.5兆円/2040

次世代通信基盤の国内技術・世界市場獲得

総務省、通信、基地局・端末、衛星、大学、標準化団体

ここでは、技術開発と同じ程度に、周波数政策、設備投資回収、国際標準、海外展開、同志国とのサプライチェーン形成が重要になります。

通信技術は、日本国内だけで利用される独自仕様になれば、海外市場への展開が難しくなります。

そのため企業は、国内制度への政策提言と国際標準化活動を別々に考えるべきではありません。

国内の実証や政府調達によって得られた性能データを国際標準化提案へつなげ、国内導入と海外市場獲得を一つの戦略として設計することが重要です。

海底ケーブルについても、単に敷設量を増やせばよいわけではありません。

保守船、陸揚げ局、ルートの多重化、災害発生時の復旧能力、同盟国・同志国との共同投資などを含む通信強靱化政策として提案する必要があります。

政策KPIについても、基地局数や研究開発費だけではなく、国産技術の採用国数、国際標準への反映件数、障害復旧時間、重要拠点の冗長性、海外売上などまで含めることが望まれます。

量子――研究支援から「使う政府」へ移行する

量子コンピューティング、量子通信、量子センシングでは、研究能力だけでなく、初期需要と利用環境が大きな政策課題となります。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

量子

量子コンピューティング

10.3兆円/2040

国内技術基盤とユースケース、初期需要を形成

内閣府、理研・大学、量子企業、金融・素材・製薬等ユーザー

量子通信・ネットワーク

1.5兆円/2040

量子ネットワーク・セキュア通信基盤を形成

内閣府、総務省、通信企業、研究機関、重要インフラ

量子センシング

1.4兆円/2040

医療・インフラ・安全保障等で用途創出

内閣府、大学、計測企業、医療・防衛・インフラ

民間企業が大規模投資を行うためには、量子技術がどの用途で価値を生み出すのか、計算資源へどのようにアクセスできるのか、性能をどのように比較するのか、人材をどのように確保するのかが明確になっている必要があります。

そのため政府には、研究費を提供するだけではなく、量子技術を実際に利用する初期ユーザーになることが求められます。

暗号、材料、創薬、金融、物流、インフラ、防衛などについて公共ユースケースを設定し、政府自身が需要形成に関与することが市場立ち上げにつながります。

企業側も「量子技術への支援を増やしてください」という抽象的な要望ではなく、公共課題ごとのユースケース、従来手法との性能比較、成功判定KPI、政府が購入可能なサービス形態まで提示することが重要です。

さらに、研究機関、大学、スタートアップ、大企業の役割を整理し、共用設備、知財、データ、人材移動を妨げている制度上の制約を特定する必要があります。

防衛産業――長期需要と供給能力を契約で結ぶ

防衛産業では、長期調達、原価・利益率、設備維持、人材、輸出、デュアルユース、セキュリティクリアランスなどが重要な政策論点となります。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

防衛産業

小型無人航空機

0.4兆円/2040+戦略三文書改定分

国産製造・技術・供給能力の確立

防衛省、経産省、防衛装備企業、ドローン企業、大学

艦艇

2026年度約0.34兆円+今後増

調達を通じた国内造船・艦艇サプライチェーン強化

防衛省、経産省、造船、艦艇装備、素材・電子機器

デュアルユース技術

4.3兆円/2040

民生・防衛双方の先端技術を国内産業化

防衛省、経産省、内閣府、スタートアップ、大学、大企業

企業にとって大きな投資制約となるのは、長期需要の不確実性と、平時にも維持しなければならない供給能力のコストです。

そのため、個別装備品の予算増額だけを求めるのではなく、複数年度契約、最低発注量、設備維持費、部品在庫、サプライヤー支援、技能継承までを一体的に設計する必要があります。

特にデュアルユース企業やスタートアップについては、防衛分野へ参入した場合の情報管理、知的財産、輸出、研究成果の取扱いを明確にすることが重要です。

また、防衛、半導体、量子、サイバー、宇宙などでは、政策提言そのものにも機微情報管理が求められます。

企業側は、公開可能な政策提言と限定的に共有する情報を分け、営業秘密や安全保障上の機微情報を必要以上に提言書へ記載しない運用体制を整える必要があります。

航空・宇宙――認証とアンカー契約が投資回収を決める

民間航空機、無人航空機、空飛ぶクルマ、ロケット・射場、人工衛星、月面・低軌道技術では、技術そのものの完成だけでなく、認証、運航制度、保険、責任、打上げ調達、政府によるアンカー契約が市場形成を左右します。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

航空・宇宙

民間航空機

3.5兆円/2040

次期単通路機・次世代航空機への参画、認証・量産力確立

内閣府、経産省、国交省、航空機・重工、素材、航空会社

無人航空機

0.3兆円/2040

国内生産・認証・用途拡大

内閣府、国交省、経産省、ドローン企業、自治体

空飛ぶクルマ

0.4兆円/2040

型式証明、運航制度、社会実装、市場形成

国交省、経産省、自治体、機体メーカー、交通事業者

ロケット・射場

2.3兆円/2040

打上げ能力・射場を含む宇宙アクセス自律性確保

内閣府、文科省、JAXA、ロケット・射場企業

人工衛星・サービス

6.4兆円/2040

衛星製造・コンステレーション・サービス市場拡大

内閣府、総務省、防衛省、JAXA、衛星・通信・データ企業

月面探査・低軌道技術

5.6兆円/2040

月・低軌道の商業化と国際プログラム参画

内閣府、JAXA、宇宙企業、大学、国際パートナー

特にスタートアップにとっては、補助金を獲得して技術開発に成功しても、その後の顧客が存在しないことが大きなリスクになります。

政府が打上げ、衛星データ、通信、防災、測位、観測などを複数年度で調達し、一定の初期需要を示せれば、企業側は量産設備や資金調達の計画を立てやすくなります。

企業側も、実証計画を提出する段階から、実証成功後の認証手続、本調達、運航区域、保険・責任、自治体での受け入れまでを工程化する必要があります。

実証成功だけをKPIにすると、技術は完成しても制度が存在せず、商用化できないという問題が起こります。

海洋――MDAと海洋無人機を公共インフラ化する

海洋無人機、海洋ドローン、海洋状況把握(MDA)、海底開発技術は、資源、安全保障、災害、環境、通信など複数の政策目的が重なる分野です。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

海洋

海洋無人機・海洋ドローン

1.2兆円/2040

海洋調査・安全保障・資源開発の自律化

内閣府、国交省、防衛省、JAMSTEC等、海洋・造船企業

海洋状況把握(MDA)

1.2兆円/2040

衛星・船舶・センサーを統合した海洋情報基盤

内閣府、海保、防衛省、宇宙・通信企業

革新的海底開発技術

0.9兆円/2040

海底資源等の探査・開発能力確立

内閣府、経産省、JOGMEC等、資源・海洋企業、研究機関

また、需要主体やデータを保有する組織が複数省庁・機関にまたがるため、省庁横断での制度設計が欠かせません。

企業が求めるべきなのは、単発の実証費だけではありません。

海上保安、防衛、研究、資源開発、港湾管理などで共同利用できるデータ標準や調達枠組みを形成する必要があります。

衛星、船舶、センサー、無人機などから得られる情報を統合し、誰がデータを保有するのか、誰が利用できるのか、どこまで公開し、どこから秘匿するのかを制度として定めることが重要です。

政府調達と研究開発も分断せず、実際の運用から得られたデータを次世代製品の改良や標準化へ戻す循環を構築する必要があります。

造船――船主・荷主・金融を含む需要側連合をつくる

造船政策では、設備老朽化、技能、人材、長期発注、GX船、LNG運搬船、船舶修繕、ファイナンスなどの課題が相互に結び付いています。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

造船

次世代船舶

1.0兆円/2034

自動化・GX船等で生産性と国際競争力回復

国交省、造船・舶用企業、船主、海運、金融

船舶修繕

0.1兆円/2035

国内修繕能力とサプライチェーン維持

国交省、造船所、海運、防衛・海保

LNG運搬船

未精査

国内建造能力と安定発注、エネルギー安全保障を接続

国交省、経産省、造船、海運、電力・ガス

造船所への設備投資支援だけを実施しても、将来の受注が見えなければ、継続的な設備投資は行われません。

そのため造船企業は、船主、海運会社、荷主、電力・ガス会社、金融機関、自治体などと連携し、国内建造、長期発注、船舶金融、港湾設備、燃料供給、技能育成までを含む政策パッケージを形成することが重要です。

特にGX船では、造船所の技術だけで市場は成立しません。

燃料供給網、荷主のグリーン需要、運航コスト、国際的な環境規制が投資回収を左右します。

したがって、造船会社だけによる供給側の要望から、船主・荷主を含めた需要契約型の市場形成提案へ転換することが求められます。

マテリアル・重要鉱物――供給支援と需要保証を組み合わせる

永久磁石、グリーン鉄、革新的金属部素材、低炭素素材、製錬・分離精製・リサイクル、AIを活用した複合新素材では、資源安全保障とGX価値の市場化が重要な政策課題となります。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

マテリアル

永久磁石

0.2兆円/2040

レアアース依存低減、国内供給能力確保

経産省、素材・磁石、自動車・モーター、資源企業

グリーン鉄

4.2兆円/2040

低炭素鉄鋼の生産技術・需要市場形成

経産省、鉄鋼、建設、自動車、エネルギー

革新的金属部素材

0.3兆円/2040

高機能・高付加価値素材で不可欠性確保

経産省、素材、航空・自動車・半導体

低炭素金属部素材

0.7兆円/2040

素材製造の脱炭素化・GX価値の市場化

経産省、素材、需要産業、金融

製錬・分離精製・解体選別技術

6.3兆円/2040

鉱石・リサイクル双方の供給網を多元化

経産省、JOGMEC、鉱山・非鉄・リサイクル、商社

AI等を活用した複合新素材

5.2兆円/2040

AI・データ連携による材料開発高速化

経産省、化学・素材、AI、大学、需要企業

国内生産コストが高い素材について、供給企業だけに補助金を出しても、需要家が価格差を負担できなければ市場は成立しません。

企業側は、自動車、建設、航空、半導体、不動産、公共調達主体などと連携し、長期購入契約、グリーン調達基準、含有量・排出量の表示制度、リサイクル材の品質標準などを提案する必要があります。

重要鉱物についても、国内精製、海外鉱山、備蓄、リサイクルを別々に考えるべきではありません。

供給途絶が発生した場合の代替可能性を重視し、特定国への依存度、調達先の多様性、国内処理能力、回収率などを政策KPIとして設定することが重要です。

合成生物学・バイオ――研究から量産までの「谷」を政策対象にする

バイオものづくりやバイオ医薬品・再生医療では、優れた研究成果が存在していても、実証設備、スケールアップ、量産、品質管理、需要契約などが不足し、事業化に移行できないケースがあります。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

合成生物学・バイオ

バイオものづくり

12.8兆円/2040

バイオ生産プロセスの国内量産と初期需要形成

経産省、バイオ企業、化学・食品、大学、VC

バイオ医薬品・再生医療等

20.8兆円/2040※重複

国内製造・CDMO等の基盤構築

経産省、厚労省、製薬・CDMO、大学・病院、患者

そのため政策の重点は、研究開発費を増やすことだけではありません。

研究から商用生産へ移る段階に存在する資本負担と規制上の不確実性を下げる必要があります。

企業は、共用実証設備、CDMO、長期需要契約、原料調達、品質標準、規制相談、知財ルールなどを一体的に提案することが重要です。

大企業とスタートアップの連携についても、単なる出資だけではなく、量産設備の利用、購買契約、共同開発、知財の帰属などを具体化する必要があります。

成功KPIについても、研究プロジェクト数ではなく、国内量産への移行率、設備稼働率、製造原価の低下、需要契約額、輸出額、国内サプライヤー比率などを見る必要があります。

創薬・先端医療――承認後の市場まで逆算する

創薬、感染症対応、再生医療、革新的デバイス、ライフログ型ヘルスケアでは、研究資金、治験、承認、薬価・償還、医療データ、製造能力が一体となって投資回収構造を形成しています。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

創薬・先端医療

ファースト/ベストインクラス製品

23.4兆円/2040

世界市場を直接狙う研究開発・治験・資金供給

内閣府、厚労省、AMED、製薬、スタートアップ、大学病院

感染症対応製品

7.2兆円/2040

ワクチン・治療薬等の研究・備蓄・生産能力維持

内閣府、厚労省、製薬、研究機関、医療機関

バイオ医薬品・再生医療等

20.8兆円/2040※重複

製造・開発・治験の国内エコシステム

内閣府、厚労省、経産省、製薬・CDMO、患者

革新的デバイスによる先端医療

11.6兆円/2040

AI・ロボティクス等を医療機器・治療へ実装

厚労省、内閣府、医療機器、IT、病院、患者

ライフログ等ヘルスケアサービス

1.1兆円/2040

データ活用型予防・健康サービスのエビデンス・市場形成

厚労省、デジタル庁、保険者、IT、医療、消費者

したがって、企業は承認取得だけを政策目標にすべきではありません。

どの患者へ、どの医療機関で、どの価格・償還方式で提供され、結果として医療費や社会的損失をどの程度減らせるのかまで示すことが重要です。

予防・健康サービスでは、効果を証明するエビデンス、保険者の支払意思、データ利用ルール、事故や不利益が生じた場合の責任分担まで設計しなければ、市場形成にはつながりません。

政策連合についても、製薬・医療機器企業だけで構成するのではなく、患者、医療機関、保険者、研究者などを加える必要があります。

患者アクセスの改善と医療財政の持続可能性を同じ政策提案の中で扱えるかどうかが、制度採用を左右します。

資源・エネルギー安全保障・GX――供給支援から市場ルール形成へ

次世代太陽電池、水素、グリーン鉄、地熱、洋上風力、次世代革新炉、GXケミカルでは、研究開発だけではなく、価格差、系統接続、許認可、需要、地域合意などが投資判断を大きく左右します。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

資源・エネルギー安全保障・GX

次世代型太陽電池

4.1兆円/2040

ペロブスカイト等の量産・公共調達・海外展開

経産省、発電・素材・建設、自治体

水素等

6.2兆円/2040

価格差支援、供給網・需要拠点・国際標準形成

経産省、電力・ガス、化学・鉄鋼、重工、港湾

グリーン鉄

4.2兆円/2040※重複

設備転換とグリーン価値の需要創出

経産省、鉄鋼、自動車・建設、金融

次世代型地熱

1.0兆円/2040

探査・掘削技術と許認可・地域調整の改善

経産省、環境省、自治体、温泉関係者、発電企業

洋上風力

5.1兆円/2040

国内サプライチェーン・港湾・浮体式等を育成

経産省、国交省、発電、重工、港湾、漁業関係者

次世代革新炉

5.0兆円/2040

規制基準、サプライチェーン、人材、建設能力を再構築

経産省、原子力規制委、電力、メーカー、自治体

GXケミカル

3.2兆円/2040

化学原料・製造プロセスの脱炭素化

経産省、化学、エネルギー、需要産業

例えば水素やグリーン素材では、供給設備だけを補助しても需要が立ち上がらなければ投資は継続できません。

価格差支援、長期購入契約、排出価値の認証、公共調達、需要家側の設備転換支援などを組み合わせる必要があります。

洋上風力や地熱では、地域住民、漁業関係者、温泉関係者、自治体などとの利益調整が不可欠です。

これらを事業計画決定後の「説明」だけで済ませるのではなく、計画段階から利益共有の制度を設計することが重要になります。

原子力や大規模電源でも、規制基準、人材、部品供給、建設能力、地域受容を長期工程として管理する必要があります。

社会的受容性を広報活動だけの問題として扱わず、便益配分、監視、環境データ公開、事故時の責任などを政策そのものに組み込むことが求められます。

フュージョンエネルギー――技術開発と制度開発を並行する

フュージョンエネルギーは、技術的不確実性が大きく、商用化までの期間も長い分野です。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

フュージョン

フュージョンエネルギー

3.1兆円/2040

技術蓄積とスタートアップを接続し国内産業化

内閣府、QST、大学、重工・素材・スタートアップ、投資家

そのため、単年度の研究開発予算だけでは民間資本を十分に呼び込みにくい特徴があります。

規制体系、実証立地、研究設備、知的財産、人材、政府調達、長期資金などを段階的に整備する必要があります。

企業が求めるべきなのは、将来の技術的成功を前提とした一括支援ではありません。

技術マイルストーン、実証設備の完成、安全評価、部素材の国内調達、民間資金調達など、それぞれの成果に応じて次の支援が発動する成果連動型の仕組みが有効です。

自治体との関係も早期に構築することが重要です。

立地、電力、水、研究人材、地域産業への経済波及、住民理解などを含む実証拠点政策として設計する必要があります。

防災・国土強靱化――自治体実証を全国調達へ変える

防災技術は、AI、衛星、ドローン、センサー、通信、インフラ点検、上下水道DXなど、多くの戦略分野を横断します。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

防災・国土強靱化

防災技術

2.6兆円/2030+20兆円強の内数

防災技術の現場実装と強靱化投資、海外展開

内閣官房・防災庁、国交省、自治体、建設・通信・防災企業、NPO

一方で、自治体ごとに予算、仕様、データ形式、調達能力が異なるため、市場が細分化しやすいという課題があります。

企業は、一自治体で実証事業に採択されることをゴールにすべきではありません。

技術カタログ、性能評価、データ標準、標準契約、共同調達、導入後の維持費などまで提案し、他自治体でも導入できる仕組みをつくる必要があります。

防災政策は、単純に災害発生件数では評価できません。

避難時間、復旧時間、点検コスト、漏水率、被害回避額などの成果KPIを設定することが重要です。

さらに、自治体、地域NPO、保険会社、通信会社、建設会社、大学などを含む政策連合をつくることで、防災技術を単なる行政システムではなく、地域レジリエンスへの投資として位置付けられます。

港湾ロジスティクス――自動化と雇用移行を同時に設計する

港湾荷役機械、サイバーポート、次世代倉庫では、自動化、データ標準、労務、安全規則、サイバーセキュリティなどが主要な政策課題となります。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

港湾ロジスティクス

港湾荷役機械

0.4兆円/2040

自動荷役・国産機械と海外展開

国交省、港湾管理者、荷役・機械、海運

サイバーポート

0.2兆円/2040

港湾物流DX、データ標準・システム連携

国交省、港湾、物流、IT、税関等

次世代型倉庫

0.6兆円/2040

自動化・ロボット・AIで物流生産性を向上

国交省、物流、不動産、ロボット・IT

設備導入だけを進めると、既存業務との接続、労働者の技能移行、安全上の責任などが障害となる可能性があります。

企業は、港湾管理者、海運会社、物流会社、不動産会社、機械メーカー、IT企業、労働側などと共同で、実証から本格導入までの工程をつくる必要があります。

特に労働側を単なる反対主体として扱うのではなく、再訓練、新しい職種への移行、労働安全、生産性向上による利益の分配などを政策に組み込むことが重要です。

サイバーポートについても、港湾ごとに独自システムを構築するのではなく、データ項目、API、認証、責任分担などを標準化し、全国、さらには海外へ展開できる市場を形成する必要があります。

フードテック――安全性と消費者受容を市場参入条件にする

植物工場、陸上養殖、食品機械、新規食品では、電力コスト、設備標準、食品安全、表示、輸出規格、消費者受容などが投資判断を左右します。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

フードテック

植物工場

4.6兆円/2040

高生産性・環境制御型農業の国内外市場拡大

農水省、農業法人、設備・IT、電力、小売

陸上養殖

2.9兆円/2040

技術・設備標準化と国内外の事業化

農水省、水産、商社、設備・飼料、自治体

食品機械

1.2兆円/2040

自動化・省人化技術の国内実装・輸出

農水省、食品メーカー、機械、外食

新規食品

1.0兆円/2040

新食品の安全基準・消費者受容・市場形成

農水省、厚労省、食品企業、大学、消費者団体

技術的に生産可能であっても、販売許可、表示ルール、流通網、価格、消費者からの信頼が整わなければ事業化できません。

企業側も、単に規制緩和を求めるだけではなく、安全性評価、トレーサビリティ、表示、事故時対応、消費者への情報提供をセットで提案する必要があります。

特に新規食品では、大学・研究機関による科学的エビデンス、小売・外食事業者による需要検証、消費者団体との対話などを政策形成段階から組み込むことが重要です。

植物工場では、電力と立地条件が事業採算を大きく左右します。

再生可能エネルギー、工場等からの廃熱、地域物流、公共施設、災害時の食料供給などを組み合わせた地域モデルとして政策提案する方法も考えられます。

コンテンツ――IP輸出だけでなく制作基盤と権利分配を改革する

ゲーム、アニメ、マンガ、音楽、実写では、海外展開、海賊版対策、権利処理、制作環境、人材、金融、AIと著作権などが重要な政策テーマとなります。

分野

主要な製品・技術等

官民投資額

政策目標・勝ち筋

主要利害関係者

コンテンツ

ゲーム

24.5兆円/2033

世界展開、IP価値最大化、人材・資金・流通強化

内閣府知財、経産省、ゲーム企業、プラットフォーム、クリエイター

アニメ

3.3兆円/2033

海外収益化、制作環境・権利・人材改善

内閣府、制作会社、配信、クリエイター

マンガ

1.6兆円/2033

海賊版対策、翻訳・海外流通、IP展開

内閣府、出版社、作者、配信、権利者団体

音楽

3.0兆円/2033

海外市場・配信・権利処理・ライブ産業強化

内閣府、音楽会社、権利者、配信・興行

実写

1.3兆円/2033

国際共同製作、撮影・スタジオ・資金調達環境

内閣府、映画・放送、配信、自治体、制作者

市場規模や輸出額だけを追求すると、制作現場における報酬、契約、資金繰り、人材流出といった問題が成長の制約になる可能性があります。

政策提案も、大手IPホルダーの海外売上を支援するだけでは不十分です。

クリエイター、制作会社、出版社、配信事業者、興行会社、金融機関、自治体などを含めた産業基盤改革として設計する必要があります。

具体的には、権利情報のデータ化、海外における権利執行、翻訳・ローカライズ、制作金融、スタジオ立地、契約の透明化などを一体的に扱うことが重要です。

AIと著作権についても、「全面的に禁止するか、全面的に自由化するか」という二者択一だけで考えるべきではありません。

学習、生成、表示、収益分配、権利処理など、それぞれの段階に応じてルールを設計し、コンテンツ産業の成長とクリエイターの持続可能性を同時に評価できるKPIを設定する必要があります。

分野別ロビー活動の争点とアクター分析

どこで政策を動かすのか

17分野には、それぞれ異なる「原課」と政策コミュニティがあります。

AI・半導体であれば内閣府と経産省、デジタル・サイバーであればデジタル庁と経産省、情報通信であれば総務省、量子であれば内閣府、防衛であれば防衛省と経産省、造船・港湾であれば国交省、フードテックであれば農水省、コンテンツであれば知財政策部門などが中心になります。

しかし、実際の政策形成は原課だけでは完結しません。

企業が見るべき「アクセス・マップ」は、上から順に、日本成長戦略本部・官邸、財務省・予算・税制、与党政調・関係議員、17分野WG・審議会・官民協議会、各省庁の原課、自治体・公共機関、業界団体・主要企業、スタートアップ・大学・研究機関、NPO・患者・消費者・環境・地域団体、金融機関・機関投資家、国際標準機関・同志国政府という構造で捉える必要があります。

ここで非常に重要なのが、議員接触と原課接触を代替関係にしないことです。

国会議員は、政策課題の政治的優先順位を引き上げ、省庁へのアクセスを作り、与党審査、予算、税制、法改正、省庁間調整を後押しできます。

一方で、法律の条文、政省令、告示、通知、認定要件、補助スキーム、調達仕様などを実際に設計するのは行政の原課です。

政治家の賛同を得ただけでは、制度は完成しません。

逆に、原課だけに説明していても、省庁横断問題や予算規模、政治的優先順位を動かせないケースがあります。

企業は、「誰に会えるか」ではなく、誰が何を決めるのかを起点にアクセス戦略を設計する必要があります。

分野ごとのロビー・マトリクス

以下では、短期を2026~2028年度、中期を2029~2034年度、長期を2035~2040年度とし、政策形成上の影響力をH=高、M=中、L=限定的として整理します。これは投資段階、規制権限、調達権、需要形成能力からみた政策分析上の評価です。

分野

主要ロビー・テーマ

有効な戦術

利害の中心

影響力 短/中/長

AI・半導体

補助金、政府調達、計算資源、電力・用地、データ、国産比率、輸出管理

原課提言、与党政調、共同研究、実証、政府調達提案、標準化

政府=自律性・成長/企業=規模・投資予見性/ユーザー=価格・相互運用

官 H/H/H、大企業 H/H/H、スタートアップ M/H/H

デジタル・サイバー

国産クラウド認定、政府システム調達、セキュリティ要件、医療データ、DC電力

調達仕様への提言、パブコメ、実証、自治体導入、共同研究

政府=安全性/IT=市場アクセス/ユーザー=コスト・利便性

官 H/H/H、IT H/H/H、自治体 M/H/H

情報通信

6G、APN、周波数、海底ケーブル、国際標準、設備支援

総務省審議会、標準化提案、海外政府連携、共同R&D

通信=設備投資回収/政府=通信主権/ユーザー=料金

官 H/H/H、通信 H/H/H、標準化団体 M/H/H

量子

政府初期需要、研究基盤、公共調達、量子人材、標準

公共ユースケース共同研究、実証、研究機関連合、調達提言

政府=技術主権/企業=市場創出/大学=研究資金

官 H/H/H、研究機関 H/H/H、民間 M/H/H

防衛産業

長期調達、原価・利益率、輸出、デュアルユース、セキュリティクリアランス

防衛省・経産省原課、議員、研究連携、同盟国連携

政府=抑止・供給能力/企業=採算・需要予見性

官 H/H/H、プライム H/H/H、新興 M/H/H

航空・宇宙

認証、打上げ調達、宇宙基金、官需、保険・責任、国際ルール

制度提言、実証、政府アンカー契約、国際標準・共同研究

政府=自律性/企業=長期契約・認証/自治体=立地

官 H/H/H、企業 H/H/H、自治体 M/H/H

海洋

MDA政府調達、海洋ドローン規制、EEZ資源、データ共有

官民実証、防衛・海保調達提言、海洋政策会議、共同研究

政府=主権・資源/企業=市場形成

官 H/H/H、企業 M/H/H

造船

長期発注、設備更新、LNG船、GX船、技能、人材、ファイナンス

船主・荷主・造船連合、国交省原課、政策金融、税制提言

造船=受注予見性/海運=価格・燃費/政府=供給網

官 H/H/H、船主 H/H/H、造船 H/H/H

マテリアル

重要鉱物、リサイクル、GX価値、需要家のグリーン調達

経産省、需要産業との連合、補助・税制、国際資源外交

素材=CAPEX回収/需要家=価格/政府=供給安全保障

官 H/H/H、素材 H/H/H、需要家 H/H/H

合成生物学・バイオ

バイオ製造設備、初期需要、規制、知財、スケールアップ

共同研究、標準化、規制相談、需要家連合、政府実証

新興=資金/大企業=技術獲得/政府=国内量産

官 H/H/H、スタートアップ M/H/H

創薬・先端医療

薬価、治験、データ、承認、研究資金、CDMO、予防サービス償還

厚労省・内閣府原課、患者団体連携、エビデンス研究、パブコメ

製薬=投資回収/患者=アクセス/保険者=財政

厚労省 H/H/H、製薬 H/H/H、患者 M/H/H

資源・エネルギー・GX

カーボンプライシング、価格差支援、系統、原子力、再エネ許認可、GX価値

審議会、パブコメ、業界連合、需要家連合、地域合意

産業=コスト/政府=脱炭素・安保/環境団体=排出削減

官 H/H/H、産業 H/H/H、地域・NGO M/H/H

フュージョン

規制体系、実証立地、政府調達、研究設備、資金・人材

内閣府、共同研究、技術標準、自治体連合、長期投資提言

政府=技術主権/新興=資金・規制予見性

官 H/H/H、研究機関 H/H/H、企業 M/H/H

防災・国土強靱化

防災庁調達、技術カタログ、自治体実装、データ標準

自治体実証、国土強靱化計画・パブコメ、公共調達提言

国=レジリエンス/自治体=実装費/企業=全国展開

国 H/H/H、自治体 H/H/H、企業 M/H/H

港湾ロジスティクス

自動化、サイバーポート、データ標準、労務・安全規則

国交省、港湾管理者、実証、業界横断標準

港湾=生産性/労働側=雇用・安全/企業=設備市場

官 H/H/H、港湾 H/H/H、労働 M/H/H

フードテック

食品安全、表示、電力コスト、輸出規格、消費者受容

農水・厚労原課、パブコメ、学術研究、消費者対話

企業=市場アクセス/政府=食料安保/消費者=安全

官 H/H/H、企業 M/H/H、消費者 M/H/H

コンテンツ

海賊版、権利分配、制作環境、金融、海外展開、AIと著作権

知財政策部門、官民協議会、クリエイター連合、政策提言、国際協力

IP企業=収益/作者=分配・待遇/政府=輸出

政府 H/H/M、IP企業 H/H/H、クリエイター M/H/H

ここから読み取れる重要な点があります。

ロビー活動は、議員との非公開面談だけを意味するものではありません。

審議会、ワーキンググループ、官民協議会、パブリックコメント、実証事業、自治体導入、学術研究、費用便益分析、政府調達、国際標準化など、政策形成に影響を与えるあらゆる合法的な手段を組み合わせる活動として考える必要があります。

特に、社会的な利害調整が必要な政策ほど、「業界だけで要望する」アプローチには限界があります。

GXであれば、エネルギー・素材企業だけではなく、需要家、研究者、労働者、環境側、地域社会も政策形成に関与します。

医療なら患者、保険者、病院が重要です。防災なら自治体や地域団体が重要です。フードテックなら小売や消費者が重要です。コンテンツならIPホルダーだけでなく、制作会社やクリエイターが重要です。

強い政策連合とは、同じ業界の企業を大量に集めた連合ではなく、異なる利害を持つ主体が同じ制度変更に合意できる連合です。

17分野を横断して最優先すべき五つの政策アジェンダ

政府調達・初期需要・標準化を一つに束ねる

フィジカルAI、国産クラウド、サイバーセキュリティ、量子、医療DX、宇宙、防災、海洋ドローン、港湾DXなどは、技術開発を支援するだけでは市場が立ち上がりにくい分野です。

政府、自治体、医療機関、インフラ事業者などがアンカー顧客となり、初期需要を示すことが重要です。

企業が提案すべきなのは、複数年度調達、チャレンジ型調達、実証から本調達への移行ルール、性能ベースの仕様、標準契約、自治体共同調達などです。

政府調達を「完成した製品を最安値で購入する制度」だけとして考えるのではなく、社会課題を解決する新しい市場をつくる装置として活用することが重要です。

電力・系統・用地・水・許認可を共通インフラ政策にする

半導体、データセンター、AI、GX、素材、植物工場などへの投資が同時に拡大すれば、電源、送電網、用地、水、人材、環境審査などの共通インフラを各産業が奪い合う可能性があります。

分野別の補助金だけを増やしても、こうした共通インフラが不足すれば、計画された民間投資は実行されません。

企業は個別企業として用地や電力を要望するだけでなく、戦略産業に必要な系統接続期間、電力品質、工業用水、造成、許認可、交通、人材などをまとめた戦略立地SLAのような制度を提案することが有効です。

国全体で産業立地と電力系統のポートフォリオを設計し、自治体ごとの受け入れ能力を可視化していくことも重要になります。

実証を恒久制度へつなぐ出口ルールを作る

自動運転、ドローン、空飛ぶクルマ、医療AI、フードテック、新エネルギーなどでは、「実証には成功したものの、全国展開できない」という問題が発生しやすくなります。

そのため実証開始前から、実証条件、成功判定KPI、評価主体、評価期限、省令・告示を改正する条件や期限、本調達・全国展開の条件まで設計しておくことが重要です。

規制のサンドボックスや特例制度を、例外的に規制を緩和するためだけの仕組みとして使うのではなく、恒久的な制度を形成するための政策実験として運用する必要があります。

供給側の業界要望を需要家・地域・社会との連合に変える

政策採用を左右するのは、要望に参加する企業の数だけではありません。

供給企業、需要家、自治体、大学、労働者、患者、消費者、NPOなど、異なる利害を持つステークホルダーが合意できる提案ほど、公共性と実行可能性が高くなります。

例えばグリーン鉄であれば、自動車、建設、公共調達主体まで含めます。

医療であれば、患者、病院、保険者を含めます。

防災であれば、自治体、保険会社、地域団体を含めます。

フードテックであれば、小売や消費者を含めます。

コンテンツであれば、クリエイターや制作会社を含めます。

「企業を支援してください」という要望を、市場参加者が合意できるルールをつくる提案へ変換することが重要です。

複数年度支援を成果連動型にする

370兆円は確定した政府予算ではありません。

したがって、企業が求めるべきなのは、長期間にわたる無条件の支援ではなく、一定の政策成果を達成する限り、支援、政府調達、税制、金融措置などが予見可能に継続する制度です。

例えば、国内量産を開始した場合、国内調達率の目標を達成した場合、民間投資誘発額を達成した場合、輸出や海外標準採用が実現した場合、供給途絶リスクを一定程度低下させた場合など、具体的なマイルストーンに応じて次の支援を発動する方法があります。

成果が未達であれば制度を見直し、成果を達成すれば次の投資段階へ進む仕組みにすることで、企業側の予見可能性と政府側の説明責任を両立できます。

単年度の補助金を獲得することではなく、政策成果と企業投資を結び付けた複数年度の投資環境を形成することが重要です。

政策を動かすための企業の実行手順

企業がこの政策市場へ本格的に参入する場合、最初に行うべきことは政治家への面談依頼ではありません。

まず、自社の投資制約を政策問題へ翻訳する必要があります。

政策課題を特定

自社の今後5~10年の事業計画と設備投資計画を17分野・62品目へマッピングします。

そのうえで、それぞれの投資を止めている要因を特定します。

補助金不足なのか、規制なのか、政府需要なのか、電力なのか、用地なのか、人材なのか、データなのか、税制なのか、標準なのかを分解します。

重要なのは、「政策として解ける課題」だけを抽出することです。

例えば需要そのものが存在しない事業を補助金で救済することと、政府調達が存在しないため量産投資ができない事業では、政策的な意味がまったく異なります。

次に、自社課題ごとの意思決定マップを作ります。

原課、審議会、担当大臣、与党政調、財政当局、自治体、公共調達主体を特定し、「誰が何を決めるか」を整理します。

政策との接続資料

行政に持ち込む文書は、「要望書」ではなく政策との接続資料にします。

内容として必要なのは、現状の問題、原因となる制度、投資を止めているボトルネック、政策変更をしない場合の損失、政策オプション、推奨案、政府負担、追加的に生じる民間投資、雇用、国内付加価値、輸出、供給網効果、想定される反対論、KPI、実施工程です。

最も重要なのは、企業名を消しても公共政策として成立する案になっているかという点です。

特定企業にしか適用できない制度ではなく、一定の性能、投資、供給能力、社会的成果を達成する企業であれば利用できる制度にします。

その方が政策として採用されやすく、結果として自社にも大きな市場機会が生まれます。

政策形成の正式ルートへ乗せます

原課とは制度設計を議論します。

議員とは政策の優先順位、省庁間調整、予算・税制の必要性を議論します。

審議会にはエビデンスや国際比較を提供します。

パブリックコメントには、単なる賛否ではなく、修正すべき文言、費用便益、代替案を示します。

自治体では、単発実証ではなく本調達や全国展開までを設計します。

業界団体だけではなく、需要家、自治体、大学、患者、消費者、労働側を含む政策連合を形成します。何人の議員に会ったかではありません。

政策課題が政府の検討アジェンダへ入り、担当原課が明確になり、制度変更までの意思決定プロセスと次の提出物が明確になったかを評価します。

「予算が発表されてから動く」では遅い

政策ロビーで最も重要なのがタイミングです。

政府から公募が出た段階では、対象分野、対象経費、補助率、審査基準、予算規模はほぼ決まっています。

その段階で変更できる余地は限られます。

企業が本当に影響を与えるべきなのは、その前です。

概算要求、税制改正要望、審議会の論点整理、基本計画の改定、政府調達仕様の設計、実証事業の制度設計などの段階で、政策課題と解決案を共有する必要があります。

したがって、政策担当部門が持つべきなのは「政治家リスト」だけではありません。

政策カレンダーが必要です。

いつ予算要求が作られるのか、税制要望が締め切られるのか、審議会が開催されるのか、基本計画が改定されるのか、パブリックコメントが行われるのか、自治体予算が固まるのか、国際標準提案の期限がいつなのかを管理します。

政策活動を経営計画と同様に年間工程で管理することが重要です。

政策経営のKPIは「補助金採択額」ではありません

企業の政策担当部門では、面談件数や提出要望数がKPIになりがちです。

しかし、それだけでは政策経営の成果を測れません。

問題形成段階では、「自社が問題視する政策課題が政府計画や審議会の論点に入ったか」を見ます。

政策形成段階では、「提案した制度オプションが政策文書、ロードマップ、税制要望などに反映されたか」を見ます。

制度設計段階では、「補助要件、調達仕様、認定基準、政省令などに提案内容が反映されたか」を見ます。

実行段階では、「政府調達、自治体導入、設備投資、採用件数が発生したか」を見ます。

最終的には、国内付加価値、輸出、輸入代替、雇用・賃金、生産性、供給途絶リスク、CO₂削減、災害損失回避などの政策成果まで評価します。

ここで最も重要なのが、追加性です。

企業がもともと予定していた1000億円の投資に政府が100億円を補助しても、それだけで「1000億円を誘発した」とはいえません。

政府支援がなければ海外に立地していたのか、投資時期が5年遅れていたのか、規模が半分だったのかを考える必要があります。

政策によって追加的に生まれた民間投資を測ることが重要です。

自治体は「補助金の窓口」ではなく投資実装の統合者になります

戦略17分野の多くは、最終的に地域で実装されます。

半導体工場もデータセンターも造船所も発電所も、土地、電力、水、道路、人材、住宅、地域合意なしには建設できません。

したがって自治体は、国の補助金を企業へ紹介するだけの存在ではありません。

政策実装の重要なプレイヤーです。

自治体側も、17分野すべてを追う必要はありません。

地域の産業集積、港湾、再生可能エネルギー、大学、防衛拠点、農林水産資源などを踏まえ、二つか三つの戦略分野へ集中することが重要です。

例えば、半導体+データセンター+GX、造船+防衛+海洋、フードテック+物流+エネルギーというように、複数分野を組み合わせた地域投資クラスターを設計できます。

企業も自治体へ工場誘致の要望だけを持ち込むのではなく、必要な電力、水、道路、住宅、人材育成、地域雇用、地元調達、税収、環境負荷まで含む地域投資計画を提示するべきです。

自治体を国への陳情の「同行者」にするのではなく、政策実装の共同設計者にすることが重要です。

ロビー活動で避けるべき最大のリスク

370兆円という巨大な政策市場は、企業に大きな機会を生みます。

一方で、各業界が「自分たちの投資こそ国家戦略だ」と主張し始めれば、単なる補助金争奪戦になる危険もあります。

大規模支援が特定企業へ集中すれば、特定企業優遇への批判が生まれます。

需要の見通しを誤れば、水素、データセンター、GX、フュージョンなどで過大投資や座礁資産が発生する可能性があります。

半導体やデータセンターが増えれば、電力・水・土地を産業間で奪い合う可能性があります。

原子力、洋上風力、地熱などでは地域負担と国家利益が衝突する可能性があります。

AI、医療、自動運転ではデータ活用とプライバシーが衝突します。

自動化では労働者との摩擦が生じます。

国際標準と整合しない国内独自ルールを作れば、海外市場への展開を阻害します。

企業側も、「自社に有利な制度を作れば成功」という考え方では長期的な政策支持を失います。

技術中立性、第三者評価、競争的公募、成果KPI、地域利益共有、プライバシー・セキュリティ設計、再訓練、国際標準との整合などを、自らの政策提案に含めることが重要です。

経営者が確認すべき政策経営の8つの問い

最終的に、「危機管理投資・成長投資」への対応を渉外部門だけに任せるべきではありません。

政策変更は、設備投資、事業ポートフォリオ、立地、製品仕様、研究開発、データ管理、サプライチェーン、海外戦略を直接変えるからです。

経営会議では、

少なくとも「自社の成長を止めている最大の制度制約は何か」「その制約を決めている原課と意思決定時期を特定できているか」「政策変更によって追加的に投資する金額を示せるか」「需要家・自治体・学術・利用者を含む政策連合を形成できているか」「補助金以外に政府調達・規制・標準・金融・インフラを組み合わせられているか」「制度変更後、本当に投資・量産・供給を実行できるか」「成果を第三者が評価できるKPIを設定しているか」「政策活動の透明性とコンプライアンスを管理できているか」を継続的に確認する必要があります。

この問いに答えられる企業ほど、政策を受け身で待つのではなく、政策市場そのものを事業機会として設計できます。

まとめ――370兆円の本当の競争は「予算獲得」ではなく「政策設計」です

高市政権の「危機管理投資・成長投資」は、17分野・62品目へ補助金を配るだけの産業政策ではありません。

2040年度までの長期的な官民投資ロードマップを通じて、政府と企業が市場形成の条件そのものを設計していく政策です。

したがって、今後の競争は五つあります。

何を戦略技術に位置付けるのか。
どの投資ボトルネックを政府が解消するのか。
誰の技術が政府・自治体の初期需要を獲得するのか。
どの仕様が国内外の標準になるのか。
どの成果指標が次の予算・制度改定を決めるのか。

企業に必要なのは、「政府から何をもらうか」を考えることではありません。

民間が投資できない理由を特定し、その制約をルール、需要、インフラ、資金、標準によって解消する政策を設計することです。

そして、その政策変更によって、自社がどれだけ追加投資できるのか、日本全体としてどれだけ国内付加価値、雇用、輸出、供給網強靱化を生み出せるのかを示す必要があります。

つまり、これからのロビー活動で重要なのは、「誰を知っているか」だけではありません。

自社の事業が17分野・62品目のどこに位置付くのか。
その市場を左右する政策は何か。
どの省庁・原課が制度を所管しているのか。
どの審議会やワーキンググループで議論されているのか。
どの議員・自治体・業界団体・需要家が重要なステークホルダーなのか。
次の予算、税制、規制改正、基本計画、政府調達がいつ動くのか。
そして、自社の事業課題をどのような政策ロジックへ翻訳すればよいのか。

こうした情報を継続的に把握し、経営判断へつなげられる体制を持つことが重要になります。

特に「危機管理投資・成長投資」のように、複数省庁、予算、規制、政府調達、自治体、業界団体が複雑に関係する政策では、単発で情報を調べるだけでは十分ではありません。

政策は日々動きます。

審議会で新しい論点が提示され、概算要求に新しい事業が入り、与党提言に新たな政策テーマが盛り込まれ、自治体で実証が始まり、パブリックコメントを経て制度の詳細が決まっていきます。

そのため企業には、政策を「ニュース」として読むのではなく、自社の事業に影響する意思決定プロセスとして継続的に追う仕組みが必要です。

自社は17分野・62品目のどこに位置するのか

最初に確認すべきなのは、自社事業と今回の成長戦略との接点です。

直接62品目に含まれている企業だけが対象になるわけではありません。

例えば、半導体関連企業でなくても、電力、物流、建設、人材、サイバーセキュリティ、素材、データセンターなどを通じてAI・半導体投資に関係する可能性があります。

防災技術に分類されていなくても、衛星、AI、ドローン、通信、保険、建設などを通じて国土強靱化政策へ接続できる可能性があります。

重要なのは業種名ではなく、自社の技術やサービスが、政府が解決しようとしている政策課題のどこに入るのかを特定することです。

「誰に会うか」の前に「何を動かすか」を決める

次に必要なのは、政策課題を制度単位まで分解することです。

例えば、自社の投資が進まない理由が、

  • 規制であるのか

  • 補助制度の要件であるのか

  • 政府調達が存在しないことであるのか

  • 税制であるのか

  • 電力・用地等のインフラであるのか

  • データ利用ルールであるのか

  • 標準化・認証制度であるのか

によって、アプローチすべき相手は変わります。

法律を変える必要があるのか、政省令・告示で対応できるのか、予算事業なのか、政府調達なのか、自治体で実証すべきなのかを整理して初めて、政策形成のターゲットが明確になります。

ロビー活動の出発点は「有力政治家を探すこと」ではありません。

自社の事業課題を、政府が意思決定できる政策課題へ翻訳することです。

LobbyAIで「政策を追う」から「政策を経営する」へ

LobbyAIでは、企業の公共渉外・政策担当者が、膨大な政策・議会・自治体等の公共情報を横断的に調査し、自社事業に関係する政策動向やステークホルダーを把握するための支援を行っています。

「危機管理投資・成長投資」への対応でも、単に17分野・62品目の一覧を見るだけではなく、

自社事業がどの政策テーマと接続するのか

どの省庁・原課・審議会を追うべきなのか

誰が政策形成上の重要なステークホルダーなのか

どの自治体で関連する予算・実証・導入が動いているのか

今後どの政策変更を継続的にモニタリングすべきなのか

といった観点から、政策環境を整理していくことができます。

さらに重要なのは、調査結果を「情報収集」で終わらせないことです。

自社の事業計画、投資計画、政府の政策目的、意思決定者、政策スケジュールを接続し、

「いつ、誰に、何を、どのロジックで提案するのか」

まで具体化することで、政策情報を経営判断へ変えることができます。

官民370兆円超という巨大な数字の背後で、本当に問われているのは、「誰が補助金を取るか」ではありません。

誰が、日本の次の15年間の市場ルールを設計する側に回れるかです。

自社が戦略17分野・62品目のどこに位置するのか整理したい。
自社に関係する政策・規制・政府調達を把握したい。
どの省庁、原課、議員、自治体、ステークホルダーを追うべきか整理したい。
政策動向を継続的にモニタリングする体制を作りたい。
自社の事業課題を政策提言へどう翻訳すればよいか検討したい。

こうした課題をお持ちの場合は、LobbyAIへご相談ください。

政策が決定してから対応するのではなく、政策が形成される段階から、自社の事業戦略と政策動向を接続する。

LobbyAIは、そのための「政策を調べる」から「政策を経営する」への転換を支援します。

髙橋京太郎

LobbyAI株式会社 代表取締役CEO

日本大学法学部卒業、法政大学大学院修了。衆議院議員秘書、さいたま市議会政務活動員として、国政・地方行政の現場で政策形成や渉外業務に従事。大学在学中から国政政党の学生組織の設立・運営に携わり、超党派団体での活動を通じて若年層の政治意識向上にも取り組む。一方で、WEBサービスの開発・運営にも携わり、マッチングアプリのコンテンツディレクターなどを務めるなど、テクノロジー分野での実務経験も積む。アジアを代表する30歳未満の先進的な起業家・リーダーを選出する「Forbes 30 Under 30 Asia 2026」に選出。東京都・TIBのスターティングメンバーにも参画。

どの自治体が、
どんな課題に動いているか

全国1,700以上の自治体の議会発言、入札情報、計画資料などをAIで自動解析し、「いま、どの自治体が、どんな課題に関心を持ち、どこで提案のチャンスが生まれているのか」を可視化。

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